よりよい職場で働くために

看護師に限らず、職場を選ぶ際には良い職場に入りたいと思うのは当然です。ではその良い職場とは何をもって良いと言うのでしょう。例えば、看護師の職場は一般に人間関係がぎくしゃくしやすいと言われてします。たとえ個々の能力が高い人の集団であっても、人間関係がうまくいっていない職場ではごく簡単な仕事でもうまくいきません。逆に、さほど優れた能力を持っているわけでもないグループでも、人間関係がうまくいっていれば困難な仕事であってもうまくこなすことができます。他の視点で気になるのは、ライフスタイルに合った働き方ができるのかということ。そこはあなたの看護師としてのキャリアプランを実現することができる職場なのでしょうか。身体的にきつい仕事がある部署ではないでしょうか。精神的に磨り減ってしまう職場ではないでしょうか。もっと根本的なことを言えば、その職場はあなたが看護学生時代に考えていた職場かということ。その頃の夢を実現したと実感できる場所かというのは重要なポイントです。そして忙しいにしても、その忙しさに釣り合った報酬を得ることができるかというのはなによりも気になるところです。満足いく報酬が得られないと、やりがいも生まれません。

このように、ざっと挙げてみただけでも良い職場かどうかを判断する視点はたくさんあります。そんな中で、良い職場にめぐり逢うためには、自分の中で明確に良いと思える基準を決めておかなくてはなりません。どの職業にしてもそうですが、あなたが思うすべての条件を完璧に実現できる職場というものは残念ながらありません。そうした職場にめぐり逢える可能性はとても低いです。そう考えますと、まず重要なのは自分の中で譲ることのでない項目をいくつか決めておくことです。多すぎても問題ですから、優先順位を決めて3~5つほど決めておきます。そして、すべての条件を叶えられる職場を探し、見つからなければ優先順位の低い項目を除外したり、ある程度の水準がある項目、例えば収入などで妥協できる水準まで条件設定を低くしてみると良いでしょう。

短期的に考えるのではなく、将来的にどのような働き方をすることができるのかも考えておきましょう。認定看護師などの認定資格の取得に向いている職場や、育児中でも院内に保育所があったり、近所に入所可能な保育所のある職場など、自分のライフプランやキャリアプランにも照らし合わせて、なるだけ自分の考える形で働ける職場を見つけることが重要です。